VPN規制が強化された中国

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中国でVPNへの規制が強化されることが決定されたようです。VPNとは、平たく言えば「自由なインターネット」を提供する技術の事です。「え?まじか?中国最低だな!」となるかもしれません。単純にそう考えると事の本質を見誤ると思います。ここでは独自に考察してみます。

VPN規制の概要

 

VPN規制のニュース

こんな感じです。

VPNって何?

高速道路にもインターチェンジや料金所があるように、インターネットにもゲートのようなものはあります。中国の場合、自国と外国をつなぐゲートでは厳しい検査が行われていて、怪しいサイト宛の通行は通してもらえません。VPNとはゲートを回避するための迂回路を提供する技術です。ゲートは金盾と呼ばれています。

中国では、日本で一般的なSNSが使えません

LINE、Facebook、Twitterなどは、中国国内では使えないと言われています。googleもです。それぞれへのアクセスを金盾が許可していないためです。しかしVPNを経由すれば使えます

中国でのSNSに関しては別途記事を上げたいです。

今回は何が起こったの?

金盾を経由したインターネットのイメージ

金盾を経由したインターネットのイメージ

VPNを経由したインターネットのイメージ

VPNを経由したインターネットのイメージ

中国政府がVPNを規制するようです。許可制にするとか、一切禁止するとか、そんな情報が飛び交っています。(ここでは、何が正しい情報かとか、今までどうだったかについては触れません。)分かりやすい影響としては、中国でLINE、Facebook、Twitterなどを使う手段が無くなることになります。

 

言論統制来ました!

 

言論統制ですか?ちょっと待って

言論統制とは「政治権力が報道・出版・その他の言論に対して行う規制である。(Wikipediaより)」とあります。確かに外国SNSへのアクセスを完全に遮断するのは、言論に対する規制として効果があるかもしれません。はたして本当にそれが目的なのでしょうか。

中国人は外国のSNSを使用して、政府を批判しているか?

  • 外国のSNSを使用するためにはVPNを使う必要がある。
  • VPNはただでは使えない(有料であったり、設定が必要であったり)
  • 自国のSNSでも発言の場は多い
  • 中国人自身も自国での規制の多さにはうんざりしている。それは今に始まったことではない
  • 批判を述べるよりも、従いつつ抜け道を探している(最近中国人の話を聞いて、そのように受け取りました)

ということで、不満は有りながらも、わざわざ金盾の先(外国)のSNSを使用してうっぷんを晴らすようなことはしていない気がします。面倒だし、そんな時間があれば本業に集中したい、僕ならそう考えます。

今回のVPN規制も、多くの中国人にとっては影響が無いと思います。

 

外国のサービスを使うなら、自国のものを使ってください

 

では何が目的なのかというと、上記の通りではないでしょうか。中国でもLINE、Facebook、Twitterに変わるサービスはあります。そちらを使ってください、という政府からのメッセージと取ることができます。

保護主義

アメリカのトランプ大統領といい、今は世界の大国が自国保護に切り替えています。今回のVPN規制も自国保護の一環と捉えることができるのではないでしょうか。現に中国の巨大IT企業のアリババなども、保護政策の元で今の規模になっています。

SNS規制による言論統制よりも、こちらの方がしっくりきます。

 

VPN規制のまとめ

VPN規制について

言論統制という一面はあるかもしれませんが、ここでは自国保護のために規制を強化したと結論付けます。

世界では不自由なインターネットの方が多い

出典

https://freedomhouse.org/sites/default/files/FOTN_2016_BOOKLET_FINAL.pdf

話は少し逸れますが、実は、世界では中国に限らず不自由なインターネットの方が多いです。その数60%以上!

緑がインターネットFreeな国です。我らが日本も自由ですな。中国に限らず、インターネットは規制が有る方が世界多数です。特に中国のような大国の場合、自国保護の側面もあり、今後ますます規制が強化されていくと思います。

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