中国人向けにホームページを作る注意点(Google編)

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中国人向けのホームページ立ち上げの注意点をいくつか述べたいと思います。第一回目はGoogleについてです。

 

これまでのおさらい

中国人向けにホームページを立ち上げる場合、中国ならではの事情に配慮しないといけません。筆者がよく感じているのは以下の3点です。

  1. Googleなどの有名サイトにアクセスアクセスできない
  2. 中国でのホームページ公開にはライセンス(ICP)が必要なのでは
  3. ECサイトの場合、一般的な決済方法(クレジットカード)は使えない

3.については電子決済の連載で述べました。

1.GoogleについてはVPN規制の話で少しだけ述べました。
https://h200tx.com/life-in-china/vpn-tianzeng

今回はGoogleに関係する話になります。

 

Googleは中国からはアクセスできません

googleトップページ

皆さんがGoogleに持っているイメージは検索だと思います。中国からGoogle検索(Googleのサイトにアクセス)すると、アクセスできないため画面表示は止まってしまいます。

しばらくすると時間切れになってエラーが表示されます。日本の携帯は標準でGoogle検索する作りになっているため、そのまま検索してもほとんど使えません。

百度、バイドゥーTOPページ

中国での検索エンジンには百度があります。中国版のGoogleだと思っていいです。中国で何か検索したい場合は百度を使うことになります。

単純に「百度があるから良いじゃん」とはならない

郷に入っては郷に従え、とはなりにくいです。理由は、Googleは検索以外にもいろんなことをやっていて、日本というか、世の中には無意識でGoogleを使っているコンテンツがとても多いからです。

アクセスソースの確認

中国向けのホームページはWordpressで作成しています。ホームページに組み込む機能はGoogleが提供しているものを使うことが多いです。つまり、WordPressで作るサイトはGoogleにアクセスできることが(ほぼ)前提になっています。

ネットワークモニタによるアクセスソースの確認

試しに本ブログのトップページ(http://h200tx.com)を例に、1つのサイトがどれだけのアクセスしているか分析してみました。

FireFoxブラウザをプライベートブラウンジングで起動し「要素の検証」を有効にしてホームページを表示します。ドメインの列にアクセス先が出ています。この中にxxx.google.xxxとあります。

Googleが入っていると作ったサイトが表示できない?

簡単かつ大げさに言うと、先の分析の中でgoogleと表示されているものが1つでもあると、以下のことが起こる可能性があります。

  • その部分だけ表示されない。見えない部分なので全体には影響ない
  • その部分だけ表示されない。×が表示されたり、画像の枠だけ表示される
  • ホームページのレイアウトが崩れる
  • 読み込みが極端に遅い
  • 何も表示されない、など

中国の観光スポット豫園

日本からアクセスした場合は問題ないけど、中国からアクセスした場合は問題ある、という形です。

またGoogle以外にもアクセスできないサイトがあります。有名な所だと、

  • Youtube
  • Twitter
  • Facebook

などです。それらが含まれていても現象は発生するかもしれません。

VPN環境

VPN環境の元で動作している端末から見た場合は上記のリスクはありません。多くの中国人はVPN環境は持っていないため、VPNの話をしても意味がありません。多くの中国人はクレジットカードを持っていないという、電子決済と時と同じです。

wordpressサイトでのポイント

 

個人レベルでできる対応は2パターンだと思います。

  • Googleなどアクセスできない箇所(機能)を削除する
  • 代替(別の場所)にアクセスする
  • どうしてもgoogle/Facebook/Twitterにアクセスする場合は、なるべくページの最後の方に設置する(少なくともそこまではスムーズに表示されるようになる。それ以降は表示されない

アクセスできない箇所を除外

目に見えて分かりやすい機能としては以下な感じです。

  • Googleのアクセス解析
  • FacebookやTwitterのシェアボタン

難しいのは、Wordpressがこっそりと埋め込むコードの発見です。筆者の場合は以下の1文が原因でサイトの表示が極端に遅くなっていました。

<link rel='dns-prefetch' href='//ajax.googleapis.com' />

これを消す方法は以下の通りです。

自動挿入されるDNSプリフェッチ用コードを削除する方法 – ウェブコンテンツ
CMS「WordPress」で自動挿入されるDNSプリフェッチ用コードを削除する方法に関する内容 DNSプリフェッチ用コードって何? サイト内の外部コンテンツを高速表示するために自...

アクセス不良を起こしているかは、先に掲載したネットワーク調査で分かります。不良要素が無くなるまで分析と削除します。

Googleの代わりを用意

よくサイト構築のテンプレートとして、Googleが提供しているjQueryファイルを読み込む、という記述を見ます。中国向けのサイトでは、やはりこの方法は使えません。

解決方法はこんな感じではないでしょうか。

  • jQueryファイルをGoogleからダウンロードして別のサーバに置く
  • 同等のサービスをGoogle以外の会社から入手する

中国産CDN

検索エンジンとしてGoogleの代わりに百度があるように、Googleが提供しているサービスは、ほぼ同等のものが百度(などの中国企業)にあるようです。

 

Googleアクセスまとめ

 

Googleというか、中国ならではの事情(ファイアウォール)によるアクセス不能を、いかに回避するかという内容になってしまいました。

中国人と同じ環境で動作確認する

今回挙げたような事例に素早く対応するコツは、中国人と同じ環境で動作確認するということです。具体的には以下のポイントです。

  • 中国の携帯電話とSIMカードを使う
  • 中国のネットワーク回線を使用する
  • VPNを使わない

  • iPhone/Andoroidの言語設定は中文
  • ブラウザも中国産のものに
  • プライベートブラウジングでキャッシュを使わない

特にVPN&キャッシュありの環境で作業していると問題が発見できないです。VPNは自由なインターネットを提供すると聞くと万能に感じますが、思わぬ落とし穴がありました。これらに気付くことができただけでも中国に来た意味があったと思います。

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